教会誌「こころ」2015年10月号より
主任司祭 パウロ三木 稲川圭三
10月4日(日)目黒教会の10時のミサの中で、合同堅信式が行われます。今年は森一弘司教様の司式によって、43名の方が堅信の秘跡をお受けになります。その内15名が麻布教会所属の方で、麻布としては受堅者の多い年と言えそうです。
堅信式の準備は、4回の講座によって行われます。麻布教会では、一般の方は土曜日午後7時から、中高生は日曜日午後1時から、という時刻に講座を開講しています。
中高生については基本的に、麻布、高輪、目黒のすべての受堅者が、稲川神父(中高生会担当)の講座を受講することになっています。そして、4回目の講座は土・日にまたがる「堅信準備合宿」になっていて、一緒に食事をして、祈って、泊まって、一緒に翌日のミサにあずかり、リハーサルに参加する、というスタイルになっています。今回の中高生の講座の受講者は全部で12名。内訳は、中1が8名、中2が2名、中3が1名、そして今年受洗した中高生リーダーの大学生が1名でした。講座の始まりにあたって、受堅者のみなさんに「堅信の秘跡を受けるにあたって、どんな気持ちでいるのか、秘跡を受けることをどう思っているのか」を尋ねてみました。みなさんもご興味のあるところでしょう? 受堅者の方々は、次のように答えていました。
・洗礼は知らないうちに受けた。堅信は自分の意志で受けるから、もっと神さまのことを知るという感じ。
・堅信を受けることで、神さまのこととかもっと知り、成長するとか、変わることができたらいいと思う。
・堅信を受けることで、大人の信者に近づくことができると思う。
・堅信を受けて神さまのことを知ることで、まわりの人にも神さまのことを伝えられるようになりたい。
・今年のご復活の洗礼。まだ少ししか経っていない。ミサ中の朗読、ご聖体、だいぶ慣れては来た。堅信の秘跡を受けることが、大人の信者がどういうことなのかな、大人の信者として、どういう風にあればいいのかな、そういうことを勉強したい。
・知らないことが多いので、大人の信者として知らなくてはいけないことを勉強できたらいい。
・堅信を受けることで、いろいろなことを、神さまのことをもっと学びたい。
・自分は幼児洗礼で、自分でしていない。堅信は自分の意志で受けるので、自分から神さまのことを知ろうというのが大切だなと思う。
・受けるにあたって、神さまのことをもっと知りたいと思って、いっぱい知れたらいい。
・今までは信者としても「何となく」だったので、今回、神さまのことを知るいい機会だなと思います。
・堅信を受けて、もっと神さまとずっと一緒にいます。
さて、堅信の秘跡とは何かと問われるならば、一言で言えば「聖霊を受ける」ということです。しかし、洗礼によって受洗者は「既に聖霊を受けて」います。「どういうことなのだろうか?」「聖霊には2種類あるのだろうか?」・・・そんな疑問も起こりかねません。けれども、このことについては、どんな議論を尽くすより、イエスさまのご生涯がわたしたちに「生き生きとした答え」を与えてくださっています。そして、そのことが堅信の秘跡の意味を、よく教えてくださっていると思います。
イエスさまのご生涯には、顕著な意味で、「聖霊を受ける」という出来事が2回ありました。一度目は、おとめマリアが「聖霊によって身籠もる」(ルカ1・35)という出来事。二度目はヨルダン川での洗礼の時のこと。「天が裂けて“霊”が鳩のように御自分に降って来るのを御覧になった」(マルコ1・10)という出来事です。この二度の「聖霊を受ける」という出来事が、わたしたちの「洗礼」と「堅信」の聖霊の意味をはっきりと教えてくださっているように思うのです。つまり、イエスさまの一度目の聖霊は「神の子」としての誕生です。わたしたちも「洗礼」の時受ける聖霊によって、「神の子として誕生する」のです。
そして、イエスさまの二度目の聖霊は「派遣」です。わたしたちも「堅信」の時受ける聖霊によって、「派遣」という使命をいただくのです。イエスさまが二度目の聖霊によって「派遣された」ということについては、もう少し詳しく見ていきましょう。イエスさまは、天から下った“霊”に導かれて荒れ野に行き、悪魔からの誘惑をお受けになります。そしてそこですべての誘惑を退け、「神の子であること」が何であるかをはっきりと示されます。つまり、「神の子である」とは、自分が「何が出来るか」ではなく、自分が神の子である「証拠を求めること」でもなく、ただ「神である主を拝み、主に仕える」ということなのだとはっきりと宣言なさったのです。(マタイ4・1-11参照)そして、その後、イエスさまは人々に「神の国の福音」を宣べ伝える者として「派遣され」ます。
繰り返しになりますが、このことこそわたしたちが堅信の秘跡で受ける聖霊の働きであり、使命です。わたしたちは一度目の聖霊、すなわち「洗礼」によって「神の子としての誕生」をいただきます。そして二度目の聖霊、すなわち「堅信」によって、「派遣」を受けます。つまり、「自分だけでなく、すべての人が『神の子』であるということを、人に告げ、出会わせるために派遣される」ということです。「すべての人が『神の子』であるということを、人に告げ、出会わせるために派遣された方」と言えば、それはイエスさまのことです。聖霊とは、主イエス・キリストの霊。堅信の秘跡を通して主イエス・キリストの霊である聖霊が注がれる時、受堅者の中にイエス・キリストご自身が立たれ、キリストのいのちそのものが、受堅者を派遣へと促すのです。これこそが堅信の秘跡を通していただく派遣です。
10月4日(日)に43人の方が堅信の秘跡で聖霊をお受けになります。受堅者の方々が、人に「あなたは神の子です」と告げる者となりますように祈りましょう。また既に堅信の秘跡をいただいているわたしたちが、また新たな心で人に「あなたは神の子です」と告げる者となっていきますように、ご一緒にお祈りいたしましょう。
