教会誌「こころ」2015年11月号より
主任司祭 パウロ三木 稲川圭三
いつもミサが捧げられる際、祭壇の中央に置かれる赤い大きい本があります。その本の正式名称は「ローマ・ミサ典礼書」日本語版です。このミサ典礼書を使って、日々のミサが捧げられています。今使われている「ローマ・ミサ典礼書」日本語版は、「ローマ・ミサ典礼書」ラテン語規範版を、日本語に翻訳したもので、1978年に暫定認可を受けています。それ以来「暫定認可」のまま、40年近く使い続けて来ましたが、2000年6月から、現行の「ローマ・ミサ典礼書」日本語版の改訂作業が始まりました。
2014年5月に、まず、ローマ・ミサ典礼書の冒頭に書かれている「ミサ総則」の改訂訳が、典礼秘跡省からの認証を受けました。しかし、まだその後に続く「ミサの式次第」部分については認証を受けていません。「ミサ総則」は「ミサの式次第」と直接関連しています。それで、「ミサの式次第」が公表される前に、「ミサ総則」だけを公表するのは、混乱を招くおそれがあるため、「ミサ総則」の全文の公表は控えることになりました。しかし、「ミサ総則」改訂訳の中で、早期に実施しても大きな混乱を招かないと思われる変更箇所については、早めに慣れておく意味で、2015年11月29日(待降節第一主日)から、日本全国で実施することになりました。それは2015年2月に開催された、日本カトリック司教協議会臨時司教総会での決定です。
今回実施されるのは、ミサ全体に関連する規則と、司式司祭、共同司式司祭に関する変更、ならびに日本における適応が中心です。一部、会衆や他の奉仕者に関わる部分もありますので、この紙面を借りて皆さまにお伝えしようと思いました。尚、この変更箇所が導入されるのは、決してミサの画一化を図るものではなく、
① ○○神父流のミサ、○○教会流のミサにならないようにするため。
② ミサを味わい深く、美しく司式するため。
③ 各教会共同体全体で、ミサについて見直し、学ぶ機会とするため。
とされています。
さて、現在麻布教会で行われているミサの捧げ方に照らし合わせて、関係すると思われる「変更点・留意点」を挙げてみました。
1. ミサ全体に関する留意事項
席について
・他の奉仕者(侍者、朗読奉仕者、臨時の聖体奉仕者など)の席は、司祭・助祭の席と明確に区別する。
沈黙
・沈黙は、祭儀への行動的参加の一つ。
・ミサ中だけでなく、ミサ前、ミサ後の沈黙が守られるように配慮する。
2. ミサの準備
祭壇・ろうそく・十字架
・祭壇上か祭壇の近くに少なくとも2本。
主日や守るべき祝日は4本か6本。
教区司教が司式する場合は7本。
司祭の祭服
・司式司祭はアルバとストラの上にカズラを着用する。カズラの上にストラは着用不可。
3. 開祭
聖ひつと祭壇への表敬
・①祭壇前で礼。②聖ひつ前で礼。③祭壇に手を触れて礼。
4. ことばの典礼
福音朗読
・司祭は「○○による福音」と唱え、親指で、①福音書、②自分の額、③口、④胸、に十字架のしるしをする。
・会衆は「主に栄光」と唱えながら、①自分の額、②口、③胸、に十字架のしるしをする。
5. 感謝の典礼
供えものの準備
・共同祈願が終わると一同は着席して、奉納の歌を始める。
・パンとぶどう酒を祭壇(コルポラーレ)の上に置くのは司式司祭の務め。
聖体授与の臨時の奉仕者
・臨時の聖体奉仕者は、司祭が拝領してから祭壇に近づく。
・司式司祭は、チボリウムを臨時の聖体奉仕者に手渡す。
以上、細かな内容で分かりにくいものも多かったかもしれませんが、共通理解のために必要な事項を列記しました。なぜ、こういうきまりがあるのか、その「意味」や後ろにある「心」については、折りに触れてお伝えしていくようにしたいと思います。
