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教会誌「こころ」巻頭言
Kokoro
2015年 12月 25日(金曜日)

「いつくしみの特別聖年」始まる

教会誌「こころ」2016年1月号より

 

主任司祭 パウロ三木 稲川圭三

 

2015年12月8日(火)に「いつくしみの特別聖年」が始まりました。「聖年」とは、教会が呼びかける、回心と、罪の赦しと、新たな出発の時です。2016年11月20日(日)「王であるキリスト」の祭日までの一年が、その期間となります。聖年の聖書的な背景は、旧約聖書のレビ記(25章・1節~55節)に登場する、50年ごとにめぐってくる、土地の安息・負債の免除・奴隷の解放の時である「ヨベルの年」にあります。

教会の歴史の中に記されている最初の聖年は、1300年に教皇ボニファティウス8世の命によって行われたものです。その際、100年ごとに聖年を祝うことにしました。しかしその後、聖年を祝う間隔は50年、25年と短くされてきました。それは、すべての世代が一生に一度は聖年に与れるようにという配慮からのことです。最も近年に行われた聖年は、いうまでもなく、キリスト降誕2000年を祝った、紀元2000年の「大聖年」です。今年2015年は聖年の開催年としてはイレギュラーですが、今年の12月8日が、第二バチカン公会議閉会50年記念の日にあたることから、教皇フランシスコによって、「特別聖年」として呼びかけられました。教皇が特別聖年を呼びかけた詳しい意向については、いつくしみの特別聖年公布の大勅書である「イエス・キリスト、父のいつくしみのお顔」という文書にありますので、目を通されることをお勧めします。カトリック中央協議会のホームページから読むことができます。パソコンをお使いにならない方は、連絡いただければ、プリントをお送りします。

「いつくしみの特別聖年」のモットーは「御父のように、いつくしみ深く」です。このモットーを直接的に支えているのは、「あなたがたの父があわれみ深いように、あなたがたもあわれみ深いものとなりなさい」(ルカ6・36)という福音書の言葉です。ですから、いつくしみの特別聖年の一年、わたしたちはこのイエスさまのお言葉を、深く思い巡らしながら生きたらよいのだと思います。わたしは「あなたがたの父があわれみ深い」とは、「父である神さまが、すべての人と一緒にいてくださる」ということだと思っています。父である神さまはそのあわれみによって、「すべての人と一緒にいてくださる」お方だからです。わたしたち人間の中に、「過ち」があっても、「足りなさ」があっても、「悪」があっても、「恩知らず」なところがあっても、「罪」を犯していても、父である神さまは「共にいてくださる」お方、「一緒の向きでいてくださる」お方です。これが、「あなたがたの父があわれみ深い」ということの具体的な中身だと思います。そのようにわたしたちも「あわれみ深いものとなりなさい」とイエスさまはお命じになります。「あなたがたの父があわれみ深いように、あなたがたもあわれみ深いものとなりなさい」とお命じになっておられます。

では、わたしたちが「あわれみ深いものとなる」とは、一体、具体的に、どうなることを指すのでしょうか。「あなたがたの父があわれみ深いように」、わたしたちが「あわれみ深いものになる」とは、わたしたちがどうすることを指すのでしょうか。「あなたがたの父があわれみ深い」とは、「父である神さまが、すべての人と一緒にいてくださる」ということです。そのようにわたしたちも「あわれみ深いものになりなさい」と言われていますが、わたしたちにとっては、それはどうあることを指すのでしょうか。わたしは、それは、「あなたがたの父があわれみ深い」という真実を「認めること」だと思います。つまり、「父である神があわれみ深いので、すべての人と一緒にいてくださる」という「神のあわれみの真実」を「認めること」だと思います。「神のあわれみの真実」を「認めること」それだけ。それが、人間が求められている「あわれみ」なのだと思います。神さまはあわれみ深い方なので、すべての人と共にいてくださいます。そのことを「認めること」これが、わたしたちが行う「あわれみ」です。

「あわれみ」について具体的に教える、イエスさまの有名な教えを思い出しましょう。

「敵を愛し、あなたがたを憎む者に親切にしなさい。悪口を言う者に祝福を祈り、あなたがたを侮辱する者のために祈りなさい」(ルカ6・27-28)

神さまは、あわれみ深いお方なので、「敵」にも、「あなたがたを憎む者」にも、「悪口を言う者」にも、「侮辱する者」にも共におられます。だから、わたしたちはそれを認めなくてはなりません。それが、わたしたちが求められている「あわれみ」だからです。

この一年、特に強く祈りましょう。自分を憎んでいる人に「神さまがあなたと共におられます」と祈りましょう。自分を侮辱する人に「神さまがあなたと共におられます」と祈りましょう。自分の悪口を言う人に、「神さまがあなたと共におられます」と祈りましょう。それが、わたしたちが求められている「あわれみだからです」共にいてくださるイエスさまと一緒に祈りましょう。

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