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教会誌「こころ」巻頭言
Kokoro
2013年 8月 4日(日曜日)

中高生・聖書を読む会

教会誌「こころ」2013年8月号より

 

主任司祭 パウロ三木 稲川圭三

 

7月13日(土)から「中高生・聖書を読む会」-大学生の方もどうぞ-、というのを始めました。毎週土曜日の午後6時~7時、みこころ会館の一階で、翌日の日曜日の福音を一緒に読んでいこうというものです。麻布教会の信徒の中高生宛てに、案内のハガキを送り、参加を待ちました。内容は、まず初めに一度、主日の福音箇所を読んで、「何か質問はありませんか?」と聞き、質問があれば、わたしが答えます。質問がなければ、わたしができるだけ分かりやすく、福音箇所についての一通りの説明をしていきます。その後、更に「何か質問はありませんか」と聞き、なければわたしの方から一つ質問をします。その質問に対しては、必ず何らかの答えをしてもらうようにしています。「わかりません」というのも、自分の考えとして認めますが、「パス」というのは無しにしてくださいね、と言って質問をしています。質問に答えてもらった後は、もう一度福音を読みます。そして3分間沈黙の時間をおいて、今日語りかけてくださる神さまの声に耳を傾けます。「3分経ったら、合図をしますので、今日、特に心に響いた言葉、印象に残った言葉、また、その言葉を通して神さまがご自分に、何か働きかけてくださった、という言葉がありましたら、三遍くり返して朗読してください」・・・そうアナウンスしてから、福音の箇所を読み、3分間沈黙して、神の言葉に耳を傾けます。3分経ったら、選んだ箇所を朗読してもらいます。特になければ、人の朗読に耳を傾けていればよいのです。たとえば「必要なことはただ一つだけである」という言葉を選んだのでしたら、

「必要なことはただ一つだけである」
「必要なことはただ一つだけである」
「必要なことはただ一つだけである」

と朗読してもらいます。朗読が終わったら、選んでくれた言葉に関連して、何かお話ししてくれることがあれば、お話しください、と言います。それが終われば、お祈りをして終了です。

その後は、パスタを作って(あるいは作ってもらって)一緒に食べます。13日初日の参加者は、中高生2人とリーダーとわたし、そして「参加していいですか?」と言って入って来られた大人の方一人の、合計5名でした。ちなみに、人が何人来るのか、来ないのかも全く分からなかったので、にんにくと赤唐辛子だけを用意しておいて、来られた人数分、ペペロンチーノを作りました。

「聖書」と何で「パスタ」なのか? ということですが、それは藤井神父さまにルーツがあります。わたしの前任地は八王子教会ですが、その2代前の主任は藤井神父さまでした。どうも藤井神父さまは毎週土曜日の夜に、中高生たちにパスタを食べさせていた? ようで、わたしが着任した2007年頃にも、中高生会という具体的な活動は、何だかはっきりしない状況でしたが、リーダーが作ってくれて中高生がパスタを食べる、という習慣だけは残っていました。それで、わたしが中高生と一緒に出来ることは、聖書を読むことだったので、中高生会として、先程お話ししたような形で聖書を読んで、その後パスタを食べるということを始め、続けていました。そんな訳で、わたしの中では「聖書」と「パスタ」が何の違和感もなくセットになっております。

数年前のことなのですが、中高生会の高校生の男の子に「神父さん、今日、聖書読むの?」と聞かれたので、「ああ、今日は出かけなくてはならないから、ないんだよ」と答えたら、「ちぇっ」と言われました。(え? 今「ちぇっ」と言った???)中高生だった頃の自分を思い出す時、聖書を読むということは、「面倒くさい」、「出来ればしたくない」、「我慢してすること」でした。でも、その日「今日は読まないよ」、と言った時、その男の子は「ちぇっ」と言ったのです。本当にびっくりしました。卒業後の進路のことなどあって、聖書を読みたい気持ちだったのだそうです。

わたしは神父になって、何回も何回も聖書を読むようになって、初めて神さまからのラブコールであることがわかってきましたが、そんなでなくても、直観的にわかっている人もいるのだと思います。きっと中高生の中にも、ただ聖書を読みたいという人がいるに違いないと思っています。中高生・聖書を読む会、一人でも多くの人が訪れてくれたらいいなと思っています。

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