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教会誌「こころ」巻頭言
Kokoro
2013年 9月 1日(日曜日)

中高生会夏合宿・テーマ「出発信仰!」

教会誌「こころ」2013年9月号より

 

主任司祭 パウロ三木 稲川圭三

 

8月9日(金)から11日(日)まで2泊3日の日程で、港・品川宣教協力体、中高生会の夏合宿が行なわれました。今年はリーダー11名、中高生10名、神父という22名の参加でした。会場はカトリックあきる野教会です。ここは以前、青梅教会と兼任しながら7年間主任をしていたことがある教会なので、わたしにとっては、久しぶりに訪れる懐かしいところです。

今年のテーマは「出発信仰!」信仰年にちなんで、シンコウをかけているということです。今年の夏合宿の特徴としては、初めてのリーダーが5名いたこと、そして例年中心的にまとめ役を果たしていたリーダーたちの参加が少なかったことです。就職や試験、仕事が忙しくなってしまった等の理由ですが、経験の浅いリーダーたちにとっては、心細いこともあったでしょう。でも、リーダーたちの事前の分かち合いで、「アブラハムが75歳になった時、住み慣れた土地を離れて、『約束の地に向かって出て行くように』命じられ、信仰によって行き先も知らずに出発した」(ヘブライ人への手紙11・8参照)という聖書の出来事を話しました。共にいてくださる神さまの「確かさ」に信頼を置いて、一歩前に出て行くこと。それが信仰ではないかと話しました。

集合場所の目黒教会でお祈りをして出発。目黒駅から電車を乗り継ぎ、青梅線の拝島から五日市線に乗り換えると、単線の線路はいつしかトウモロコシ畑や栗畑の中にとけ込んで景色の一部になっていました。武蔵増戸駅下車。緑がうっそうと繁る夏景色の中をゆっくり歩いて15分、あきる野教会に到着しました。宿泊担当の信徒の方のお迎えを受け、施設使用の注意を聞いて、部屋に荷物を置きます。台所ではレンタカーで荷物を運んでいた先発隊リーダーが、昼食のためのサンドイッチを作っていました。用意が整うと、短パンやサンダルに履き替えて、昼食のサンドイッチを持って近くの川原に行きます。歩いて10分位のところに秋川の清流が流れていて、川遊びに最適です。みんなで川原に降りていくと、大学生位の兄(あん)ちゃんたちばかりのグループがいて、20mくらいは離れているのですが、こちらは女の子の多いグループなので、一斉に振り向いて、こちらを注視していました。一瞬、年頃の女の子を持つ親の気持ちになった気がして、しばらくしてから、蚊とり線香を持ってそのグループのところに行って「火を貸してもらえませんか?」と言いました。その場でライターの火を借りて「どうもありがとうございます」と言うと「別にいいっすよ」と言っていました。すると、もうそんなに変な目でこちらを見ないようになりました。川に入ったり、木陰で涼んだり、水面に低く石を投げて水を切ったり、スイカを食べたりして、のんびりと過ごしました。

帰るとプチ勉強会。上智の神学部に通っているリーダーが、第二バチカン公会議について、基本的なことをコンパクトに話してくれました。夕食の後は、懐中電灯を持ってカトリック五日市霊園の中を夜の散歩。墓地の中腹にある東屋でリーダーが怖い話をして皆を怖がらせていました。散歩を終えて、霊園を出るとき、責任者のリーダーが皆を霊園に向かって振り向かせ、「お騒がせしました」と頭を下げさせていたのには感心しました。

夕の祈りは「テゼの祈り」。テゼとは、短い単純なフレーズの歌をくり返し歌いながら祈りを深めていく祈りのスタイルで、自然に祈りの調和の中に入っていくことのできる祈りです。ろうそくの光の中で、皆で祈りました。

祈りの後は、中高生はそれぞれにお風呂に入って就寝。リーダーのミーティングは12時過ぎから始まり、終わったのは3時近かったので、若い人たちとはさすがに時間の使い方が違うことを実感しました。

二日目も、プログラムがあり、信仰についての分かち合いがあり、祈りがあって終了しました。

三日目は日曜日。例年ですと夏合宿の結びのミサは参加者だけで行なう、まとめの要素の強いミサになるのですが、今年はあきる野教会の主任司祭の李宗安(イ・ジョンアン)神父さんの計らいで、11時からのあきる野教会の主日ミサと合同で行なうことになりました。わたしが主司式と説教をし、歌う曲もみんな青年に任せるというものでした。中高生リーダーたちが選んだ曲は、ほとんど普通の信徒のみなさんには馴染みのないものばかりでしたが、中高生とリーダーたちは、三日間の間に何回も練習してとてもきれいな声で歌っていたので、喜んでもらえたのではないかと思います。

年間第19主日のミサのテーマは、期せずして「信仰」でした。「信仰とは、望んでいる事柄を確信し、見えない事実を確認することです」これは第二朗読のヘブライ人への手紙の言葉です。これは、共にいてくださる神さまの「確かさ」に信頼を置いて、一歩前に出て行くことだと思います。

三日間38度という猛暑の中でしたが、怪我人も病人もなく過ごすことができたことを感謝いたします。

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