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教会誌「こころ」巻頭言
Kokoro
2013年 10月 6日(日曜日)

「新約聖書リレー通読会」行ないます

教会誌「こころ」2013年10月号より

 

主任司祭 パウロ三木 稲川圭三

 

11月21日(木)から23日(土)までの三日間で、「新約聖書リレー通読会」を行ないます。これは新約聖書の全巻、マタイの福音書から、ヨハネの黙示録までのすべてを、リレーで読み繋いでいくというものです。聖堂の中で、朗読台に立って一人ずつ朗読していきます。立つのが難しい方のためには、祭壇の前に、机と椅子を用意します。そこでだいたい一人1章ずつくらいを、リレーして読み繋いでいきます。母国語が外国語の方は、その部分を、ご自分の国の言葉で朗読していただいて構いません。新約聖書全巻を通して朗読すると、だいたい24時間かかります。三日間で行ないますので、一日約8時間ずつということになります。その8時間を一日の内のどのあたりに持ってくるのか? 朝の方に持ってくるのか、夜遅くの方に持ってくるのかで、参加できる方も変わってくると思うので、これから考えていきたいと思います。麻布教会では、初めて行なわれることなので、今回はわたしが実行委員長になって実行委員を募集しました。数名の方が申し出てくれたので、これから一緒に考えていきたいと思っています。

さて、新約聖書全巻を、具体的にどんな仕方で読み繋いでいくのかを、少し説明したいと思います。新約聖書には27書ありますが、それを「11のグループ」に分けます。4つの福音書、使徒言行録など、ページ数の多いものは、それぞれが1グループ。パウロの手紙、ペトロの手紙など、短いものは幾つかをまとめて1つのグループになるようにします。そして、グループ毎に必要な人数を割り出して、読んでくれる方を募集します。たとえば、マタイの福音書で言うと、だいたい所要時間が3時間です。仮に1人合計15分朗読すると考えると、12名。これが必要な人数ということになります。もちろん、その人数よりも多くなっても構いませんし、逆に少なくても可能です。ただ、一人当たりの読む時間が長くなってしまうことになります。基本的にそのグループのメンバーは、そのグループの朗読個所が終わるまで、一緒に聖堂内にいて、聖書を朗読し、また朗読を聞きます。朗読の終わりの時刻が近づくと、次のグループのメンバーが聖堂に入ってきて、一緒に朗読を聞きます。前のグループの朗読が終了した後と、次のグループの朗読開始時刻までに、すこし余裕を設けていますので、その間は2つのグループが一緒に、「詩編の朗読」をして繋ぎます。早めに朗読が終われば、長く詩編を朗読しますし、聖書朗読の時間が延びれば、それだけ繋ぎの詩編朗読の時間が短くなります。そして繋ぎの詩編朗読が終わると、前のグループは朗読が「終了」となります。控室に実行委員会が簡単な茶菓を用意しておきますので、少し喉を潤してからお帰りください。

さて、申込についてですが、聖堂入口に一覧表を掲示し、各自お名前を書き入れていただく形にしようかと思っております。各グループの朗読開始時刻と終了予定時刻は、予め定められていますので、その時間帯に朗読が可能な方が、自己申告していただく形になります。全体で24時間もかかる朗読に対して、予め各グループの朗読開始時刻など決められるのか? という疑問があるかもしれません。わたしは今まで3つの教会で合計10回、新約聖書リレー通読会を行なってきましたので、だいたい朗読にどれくらいの時間がかかるのかを、過去のデータとして知っています。もちろん教会によっても、また読むメンバーによっても速度に違いがありますから、完全に同じということはないのですが、不思議にだいたい似たような所要時間になるのです。それで、多少のズレは生じますが、開始と終了の時刻を明記することができます。

さて、「新約聖書リレー通読会」なるものが一体いかなるものか、分かっていただくために、今まで具体的な事ばかり書いてきましたが、少しはイメージがお浮かびになったでしょうか。わたしは今まで、それぞれの教会でリレー通読会を始める時、いつも「こんなことをして、何の意味があるのですか」という質問を受けてきました。答えにはなっていないのですが、わたしはこの通読会を、イベントではなく、「祈り」になってほしいと思っています。聖書というのは、目に見えない永遠であるお方がわたしたちと共にいて、絶えずわたしたちを生かし、働きかけ、わたしたちの応答を待っておられるという真実を、言葉を通して表しているものです。その真実に触れて、ただ、声に出して読む。みんなで一緒に読む。それはとてもダイナミックなことです。お一人でも多くの人が参加してほしいと思います。小学生でも、中学年より上の人であれば、文量を長くしないようにすれば、十分朗読することができると思います。中高生、大学生にも読んでもらいたいと思います。職場からの帰りの方も、夜の聖堂に立ち寄って聖書を朗読していただけるように、夜の時刻の設定も考えたいと思います。麻布の聖堂が、朝から晩まで、ただ「神のことば」によって満たされ、朝から晩まで、ただ神のことばを読むためだけに、人が集まるのです。とても楽しいことです。

この週はちょうど聖書週間。そして翌日24日は「信仰年」の閉幕の日です。いただいた信仰への感謝として、一人でも多くの方が「新約聖書リレー通読」という大きなお祈りの中に入られますように。また、病床にある方も、期間中心をあわせてお祈りくださいますように、心よりお願いいたします。

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